1月2012

■ 多摩いきいき就労研究会

1月28日13時半-16時、多摩社会教育会館201研修室(南武線西国立駅徒歩10分)。障がい者を積極的に雇用している物流会社「ソフトバンクフレームワークス株式会社」の現場責任者・池田勝さんが、どんな人がどの様に働いているのか、特に大事にしていること、これからの夢など、障がい者雇用の現場を報告する。参加者のグループ討議も。障がい者、その保護者、企業、福祉関係職員、教員ら関心のある人対象。参加費1000円。主催者の「多摩いきいき就労研究会」は2011年5月に発足した障がい者就労の勉強会。

《申》042-519-1093、またはメール maedasr@kind.ocn.ne.jp 前田福祉社労士事務所。

 

 

■ 障がい者雇用啓発講座

1月25日14-16時、八王子福祉作業所(八王子駅南口バス、上野町三丁目下車)。講師の前田福祉社労士事務所の前田豊さんが、中小企業で取り入れられつつある人事評価制度と障がいがある社員の強み、無理をしない障がい者雇用初期の社内体制の提案、実際に雇用を受け入れた企業で起きたこと、雇用の助成制度などを話す。障がい者、その保護者、企業、福祉関係職員ら関心のある人対象。参加費無料。

《申》042-519-1093、またはメール maedasr@kind.ocn.ne.jp 前田福祉社労士事務所。

 

■春を待つ三人展Ⅵ

 

 

 

2月3日-10日(月曜休み)11-18時(最終日17時まで)、ギャラリー・スペースことのは(八王子駅南口徒歩10分)。
栫英人さん(木工)、林きよ子さん(染・紡・織)、峯史仁さん(高尾野草染組紐)の作品を展示。約150点。組紐ストラップ作り体験、フェルト根付け作り体験を行う(各1000円。随時受付)。
《問》042―655―3351同ギャラリー。
http://www.gs-kotonoha.jp/

 

■ 小黒三郎「組み木のお雛様展」

 

1月27日-2月7日12-18時(最終日17時まで)リベストギャラリー創(吉祥寺駅中央口徒歩5分)。小黒さんは多摩美大絵画(油絵)科卒業。現在、組み木創作の会会長、日本おもちゃ会議会員、日本クラフトデザイン協会会員。雛人形のほか、五月人形、組み木絵、昇り人形なども出品。小黒さんの糸鋸実演も。

《問》0422-22-6615同ギャラリー。

http://www.libestgallery.jp/

■ 齋藤槙個展「絵本『水のひみつ』と100のささやき」

 

1月26-31日11-18時(最終日17時まで)アートスペース88(国立駅南口徒歩2分)。自作の絵本「水のひみつ」の原画とドローイングを出品。写真は「鏡の上に」。

《問》042-577-2011同スペース。

http://kunitachi.shop-info.com/cgi/units/index.cgi?siteid=gallery&areaid=36236&unitid=artspace

■ 第20回 こぶし展

 

1月26-31日11-18時(最終日16時まで)コート・ギャラリー国立(国立駅南口徒歩1分)。7人が油彩、水彩、写真、工芸を出品。

《問》042-573-8282同ギャラリー。

http://www.courtgallery-k.com/

■ 小井土尚子日本画展

 

1月26-31日11-18時(最終日16時まで)コート・ギャラリー国立(国立駅南口徒歩1分)。小井土さん(立川市錦町)は武蔵野美大造形学部日本画学科卒業。上野の森美術館大賞展、臥龍桜日本画大賞展などに出品。写真は「窓辺 Ⅱ」(50F)。

《問》042-573-8282同ギャラリー。

http://www.courtgallery-k.com/

■ 宮地悦子・西田啓子二人展~押し花アート~

 

1月26日-2月7日(土、日曜休廊)10-17時(最終日16時まで)たましんギャラリー(立川駅北口徒歩3分、多摩信用金庫本店9階)。宮地さん(東大和市芋窪)さんと西田さん(立川市幸町)が出品。

《問》042-526-7717同ギャラリー。

 

■ ガラスのお雛様展

1月24日-2月5日11-19時、ギャラリーゆりの木(国立駅南口徒歩3分)。ガラス作家の小出希さん(京都府)、てらにしまきこさん(長野県)、難波立子さん(福島県)、ノグチミエコ(神奈川県)、真下恵美さん(東京都)、松浦あかねさん(長野県)、安田れい子さん(埼玉県)、凛華さん(神奈川県)、池上明子さん(埼玉県)が出品。

《問》042-573-6663同ギャラリー。

http://www10.ocn.ne.jp/~yurinoki/

観世流能楽師・中所宜夫の「能楽雑記帳」

 

第八回 「芦刈」について・破の段

 

 

年末掲載の予定を私の勝手で1回お休みしてしまいましたが、新年を契機に気持ちを改めて、また書いてゆきたいと思います。よろしくおつきあい下さい。

 

 

語り部について

 

私はウインドウ・ショッピングというものをほとんどしないのですが、本屋だけは例外で、少し知的な仕立てのレイアウトなどされると、思わず読書可能限界を超えて、数冊の本を買い込んでしまいます。

中秋の頃、バルガス・リョサ著「密林の語り部」という本を買い、先月頃から読み始めました。作者は一昨年のノーベル文学賞受賞者で、来日講演の折にもこの作品について多くを語ったのだそうです。ペルーの大学で民俗学を学ぶユダヤ人の青年が、アマゾンの未開部族の語り部となるお話を、作者と思われる「私」が一人称で語り、その語り部の語りを挟みつつ、最後にその語り部が自らのことを語ると言う構成で、無文字文化における語り部のひとつの姿を伝えています。現代文明とは決して相容れない部族の価値観、独特の世界観などが、脈絡のない語りによって呈示され、私たちの価値観の相対性が見事に描かれています。

 

口承の語り部の姿を描いたものとしてこれまで印象にあったのは、萩尾望都著「レッド」に出てくるもので、今詳しくは覚えていないのですが、こちらの語り部は、宇宙のある惑星に集団を形成して、星の運行に支配されながら、年月を送って行く人類のお話だったように記憶しています。集団で音楽を奏でつつ朗唱してゆく姿が、私が思い描いていた古代の語り部と重なっていたのです。

 

どちらの語り部も「異形」のものとして、一般社会から疎外された存在であることが興味深い点です。こういう語り部という存在は、無文字社会の中にあっては非常に重要な存在で、おそらく少し文明が高度になって来ると、必ず現れるのではないかと思うのです。果して日本でも「古事記」の内容を伝承して来た、稗田阿礼という人が語り部のようなものではなかったかと思われます。共同体の正当性を保証する神話の口承は、おそらく膨大な分量を個人または数人の語り部によって語り継いで来たのだと思います。

 

「芦刈  芦売りの男」  平成18年 九皐会例会で演ずる中所さん

 

 

さて「芦刈」のシテ日下左衛門(くさかのさえもん)は、少し大袈裟かも知れませんが、そういう語り部の系譜を継ぐ人であるように、私には思われるのです。主人の乳母を伴って浜辺の市にやって来た従者の前に、件の男はやって来ます。

最初は難波の浦の風光明媚を愛でていたかと思うと、「難波なる。見つとは言わじかかる身に。我だに知らぬ面忘れ。立ち舞う市のなかなかに。隠れ所はあるものを」と思わせ振りなことを口にします。この言葉には下敷になっている和歌があるのだそうで、「君が名も我が名も立てじ難波なるみつとも言うな逢いきとも言わじ」(古今集・読み人知らず)というものです。この和歌を踏まえてのこの部分の意味もまた考えてみたいと思いますが、今の語り部云々とは直接関係がありません。

問題は、自分の身の上をさんざん嘆き続けたのちのワキとの問答の言葉です。「色々な物を売っているけれど、難波の芦を売っているのは、なかなか面白いことです」「そうですね。このあたりでは売る者も買う者も、当たり前のようにしていますが、さすがに都の人は『難波の芦』と歌に詠まれているのをご存知ですね。私も昔は、難波津にあった古い都の住人で、その関係の家の末裔ですが、この枯れ芦と同じようにすっかりおちぶれてしまいました」

さらにすこし後の部分で、「有名なミツの浜というのはどこですか」「忝(かたじけな)くもミツの浜はあれなのですよ」「どうして忝いなどと言うのですか」「おや何ということか。それなら何故ミツの浜と言うのでしょうか。忝くも仁徳天皇がこの難波の浦に皇居を建てられたので、おん津と書いて御津(みつ)の浜と言うのです。」「なるほど面白い謂(いわ)れです。皇居だったから御津の浜ですね。」と続き、最後の一連の言葉は原文でどうぞ。

「波濤海辺(はとうかいへん)」の大宮なれば。漁村に燈す篝火までも。禁裏雲居の御火かと見えて。上、雲上の月卿より。下、万民の民間までも。ありがたかりし恵みぞかし」

 

 

仁徳天皇について

 

 

どうでしょうか。この男が仁徳天皇に寄せる思いが伝わって来ませんでしょうか。私は同世代の中では珍しく、子供の頃に「古事記」の物語などに親しんだので、仁徳天皇が山に登って民の竃(かまど)の煙を見るお話などから、聖王としての仁徳に親しんでいます。戦後の歴史しか学ばない人はうっかりすると、あんな巨大な墳墓を作らせる王様は民を搾取する専制君主に違いない、などと思うのではないでしょうか。それにしてもこの芦刈では、歌枕の御津の浜は知っていても、それが皇居だった故のこととは皆が分らなくなってしまっているその時に、日下左衛門は昔を懐しんでその有様を目前のように伝えています。

 

ところでこの「昔」はどの位昔かと言いますと、仁徳は4世紀末から5世紀初めの人で、芦刈の時代は乳母の習慣が武士階級のものであり、京に仕える主人がいることを思えば、能が創作された室町時代からそれほど遡ることはない、即ち14世紀頃のことですから、仁徳の紀年に多少の問題があるとしても、相当古い、千年昔のことと思っても良いのです。その家に伝えられた伝承というものは、今の私たちが想像するより遥かに永く伝えられて行くようです。現に今でも奈良の旧家などでは、正史と異る伝承を伝えるところがあり、これを一概に後世の創作と退けることは出来ないと思います。そしてその伝承の間に、言葉は磨かれて調子の良い語り口というものが出来上っていくと思うのです。日下左衛門は物売りの口上、すなわち語り口が巧みで評判を取っていたことを思い出せば、そこに伝えられて来た語りの継承というものが感じられないでしょうか。

 

私は、かつて「芦刈」のシテを致しました時に、この人は仁徳朝の栄華に重要な役割を果した人の末裔であり、そのありさまを今に語り伝える役を代々担って来た家の人なのだと、自分なりに思い定めて演じて見たのです。

 

ツレの乳母の女は、三年の間にすっかり様変りしてしまった左衛門に、物売りをしている間は気がつかなかったけれど、仁徳天皇の難波の宮がどうのこうのと言う話になれば、かつて自分がよく聞いていた話なので、それが左衛門だと気付くのです。

 

さて、次回は二人の再会です。

 

【中所さんの舞台】

◆能楽らいぶ 能と薩摩琵琶 「平家物語より 〜滅びと弔い〜」   1月28日14時、横浜市港南区民文化センターひまわりの郷ホール(京浜急行・横浜市営地下鉄上大岡駅)。中所さんのほか、観世流能楽師・遠藤喜久さん、薩摩琵琶錦心流中谷派の荒井姿水さんが出演。前売2500円、当日3000円。未就学児は入場できない。《申》045-848-0800同ホール(http://www.himawari-sato.com/modules/news2/article.php?storyid=101)

◆若竹能復活特別公演「能で綴る平家物語」第一日目「平家台頭」   2月18日16時、矢来能楽堂(地下鉄東西線神楽坂駅矢来口徒歩2分)。能「俊寛」を演ずる。解説は元NHKアナウンサー・葛西聖司さん。正面指定席5000円、脇・中正面指定席4000円、自由席4000円、学生自由席2000円。《申・問》042-550-4295中所宜夫能の会。

◆九皐会春季別会「山姥 白頭」   4月28日13時、国立能楽堂(地下鉄大江戸線国立競技場駅駅A4出口徒歩5分)。

《問》03-3268-7311観世九皐会(http://www.kanze.com/

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