6月2013

■ michinoeki 西武立川

30日(雨天の場合7月7日)11-16時、西武拝島線西武立川駅の南口前、ヤオコー駐車場内特設会場。

西武立川駅前に大規模分譲戸建住宅街「AYUMOCITY(アユモシィティ)」が誕生するのを記念して、一日限りの「道の駅」が開店する。

出店するのは、鈴木農園、栄グリーンなど多数の地元農家。採れたての野菜と果物、花、ウコッケイの卵などを並べる。また新鮮な地場産の食材を使って、立川の人気飲食店の「TACHIKAWA BARU」「エミリーフローゲ」「伍樂食堂」が腕をふるった料理やスイーツを出す。このほかオリオン書房と家具工房木とりが組んだBooks&bar「とんがり書房」も出店する。

またダコタ・ジャズ・クインテット、フォレストレディース・スイングオーケストラ、厄年ブラザーズバンドの演奏もある。三井不動産レジデンシャル、大和ハウス工業主催。

《問》03-5489-7385アユモシティ街びらきイベント事務局。

■ かとうくみ個展

 

 

6月27日-7月3日12-18時(最終日17時まで)リベストギャラリー創(吉祥寺駅中央口徒歩5分)。かとうさんは18年前から水彩で描き始め、アメリカの公募展に入賞。個展やグループ展で活躍する。「ノーマン・ロックウェルのような日常を描ける作家を目指している」と加藤さん。

《問》0422-22-6615同ギャラリー。

http://www.libestgallery.jp/

 

■ 第17回女(ひと)と男(ひと)のフォーラム「あなたの働き方を変えてみませんか-個人も組織も成長するワークライフバランス-」

6月29日14-16時、小平市中央公民館ホール(西武多摩湖線青梅街道駅徒歩5分)。東レ経営研究所特別顧問・佐々木常夫さんが話す。130人(要予約)。入場無料。

《問》042-346-9618、またはEメール byodo@city.kodaira.la.jp 小平市青少年男女平等課。

■ 小平市農のあるまちづくり推進会議シンポジウム「広げよう魅力ある農とのふれあい~農あるまちの情報発信~」

6月29日14-16時、小平市中央図書館(西武多摩湖線青梅街道駅徒歩5分)。小平市農のあるまちづくり推進会議は、市内の農業者や商業者、関係団体、公募市民ら14人で構成され、市内の農業をどのように盛り上げ、都市の貴重な農地をどのように守り、まちづくりの中に位置づけていくかを話し合っている。

基調報告の後、農商連携で進める地産地消、市民とともにある農機能、農あるまちの情報発信の内容で発表と提案がある。意見交換会も。

定員70人、入場無料。

《問》042-346-9533小平市農業振興係。

■ ORA vol.5 京都造形芸術大学油画大学院生卒業生展

 

 

6月27日-7月2日、7月4-9日11-18時(最終日17時まで)コート・ギャラリー国立(国立駅南口徒歩1分)。前半と後半に分けて開催。

《問》042-573-8282同ギャラリー。

http://www.courtgallery-k.com/

■ 田原かおり Silver Jewely 展

 

 

6月25-30日11-19時(最終日17時まで)ギャラリーゆりの木(国立駅南口徒歩3分)。田原さんがシルバーだけで制作したジュエリーを出品。

《問》042-573-6663同ギャラリー。

http://www10.ocn.ne.jp/~yurinoki/

■ 市民活動パワーアップ講座「市民活動と著作権~このイラスト使っていいのかな~」

6月29日14時-16時半、小平市民活動支援センターあすぴあ会議室(西武線萩山駅徒歩5分、小平元気村おがわ東2階)。講師はNPO法人著作権推進会議。定員30人(申し込み先着順)。参加費無料。小平市民活動支援センターあすぴあ主催。

《申》042-348-2104あすぴあ。

http://kodaira-shiminkatsudo-ctr.jp/

 

■ とことんペンギン隊ワークショップ「作ってあそぼう!工作教室」

 

 

6月29日、7月7日11時、14時、オリオン書房ノルテ店(モノレール立川北駅北側パークアベニュービル3階)、14日11時、14時(この回、受付終了)オリオンパピルス(立川駅南口、グランデュオ立川6階)。「とことんペンギン隊のかわいい工作あそび」(1050円。小学館クリエイティブ発行、小学館発売)の発売を記念して開催。講師は同書の著者、イラストレーターでおもちゃ作家のあべななえさん(写真)。

定員は各回10人(14日は8人)、小学3年生以下は保護者同伴。参加費1050円(テキスト「とことんペンギン隊のかわいい工作あそび」、材料費込み)、家族の場合、2人目から500円。2回参加の場合、2回目500円。

《問》042-522-1231オリオン書房ノルテ店、042-548-1711オリオンパピルス。

http://www.orionshobo.com/event/page974.html

■ 自然のおはなし会「虫が教えてくれること~自然を読み解くカギ~」

6月27日10時-11時半、東大和市立郷土博物館(西武拝島線東大和市駅からバス、八幡神社下車)。詩集「虫の落とし文」や最新刊の「むしむしたんけんたいシリーズ①『なきむしの巻』」などの作品で知られる詩人で児童文学者の西沢杏子さんが、命について、また詩についてスライドを交えながら話す。

《問》042-567-4800同博物館。

観世流能楽師・中所宜夫の「能楽雑記帳」

 

第十五回  「花を奉る」について

 

石牟礼道子さんが震災後の世界に向けて発表した「花を奉る」という詩のことは、以前にも少し書いたかも知れません。私がこの詩を読んだのは昨年の4月か5月だったと思います。NHKのデレビ番組で紹介されたそうですが、私はツィッターのリンクを辿ってこの詩を知りました。その言葉のひとつひとつが圧倒的に迫って来ます。

震災後の混乱の中で友人の詩人和合亮一がツイッターで詩の投稿を始め、敬愛する哲学者内田樹さんが「原発の鎮魂」という言葉を述べられ、その役割の一端を能は担うことが出来ると、いささか前のめりに意気込み、以前宮沢賢治さんの言葉を組み合わせて『光の素足』を書いたように、和合の作品『詩の礫(つぶて)』の言葉を使って「原発の鎮魂」をするような、そんな新しい能が書けないだろうか、能にはその可能性と力があるはずだと、気ばかり焦っている自分の中に、「花を奉る」の言葉は重く重く染み込んで来ます。

今となっては信じられないことですが、私はその時まで石牟礼道子という人のことを、ほとんど何も知らなかったのです。高校時代に国語の教科書に『苦海浄土』の一部が載っていました。またその時の国語の先生が、好きな作家として石牟礼道子さんの名前を挙げていらっしゃいました。しかし、当時の自分にはそこに共鳴するだけの内実がなかったのでしょう、全く引っ掛ることなく通り過ぎてしまっていました。しかしこの詩に出会った時に、そういえば池澤夏樹が個人で選んだ河出書房新社の世界文学全集の中に、日本の作家として唯一人、石牟礼道子さんが選ばれていることに思い当りました。そして河出版の『苦海浄土』を随分長い時間を掛けて読みました。池澤さんが紹介文の中に、文学好きな主婦がたまたま奇病と出会った、その記録としてこの作品を読むならば、いっそ読まない方が良いというようなことを書いていらっしゃいました。確かにその通りなのですが、私はまさにそのように考えていたから今まで読まずにいたわけで、読んでみればその作品と作家の稀有な存在がひしひしと胸に迫ります。水俣病は悲劇だけれど、そこに石牟礼道子という人がいたというこ

とは、私達にとって幸せなことであったとさえ思えます。

また別の時に私のそういう遍歴とは無関係に、友人の一人が鶴見和子さんの仕事を私に語ってくれました。そして鶴見和子さんと石牟礼道子さんの交流や対談を知りました。鶴見さんは「近代」の意味を再検討するということをされていて、近代の歪みの最たるものとして水俣に注目し、石牟礼さんと出会われたようです。また南方熊楠を通して文化の交流点としての「萃点(すいてん)」という概念を獲得され、それを発展させた社会改革モデルのようなものを考えていらっしゃいます。その時私が感じたのは、社会を変えていくのは政治でも経済でもなく文化なのではないか、ということです。もっとも文化を作りだすのは政治でもあり経済でもあるので、こういう言い方はあまりに単純過ぎるのですが、能という現実離れした世界に住むものには、自分たちの仕事が社会を動かすことになるという思いは、なかなか捨て難いものでした。

しかし考えてみれば「原発の鎮魂」などまだまだ遠い未来の話に過ぎません。「原発」は私達に、生存の基盤を根こそぎにする可能性を明かにし、差別を土台にして初めて運営可能であることを晒し、敗戦国であるがゆえに戦勝国から押し付けられた子細をカミングアウトしているにも関らず、未だ多くの人がそれでも「原発は必要だ」と口にするほど、中毒性の強い代物なのですから。

詩の音律と陰影から能の姿が…

 

私はまず、詩「花を奉る」に節付けをすることから始めてみました。かなり専門的になりますが、冒頭から少し追ってみましょう。(以下の引用の表記は、私が謡本にする時に少し変えています。)

「春風きざすといえども。我等人類の業いまや重なりて。三界いわんかたなく昏し。」幕を出て来たシテが橋掛りを歩み行き、ふと立ち止まって謡う言葉です。このシテがどのような役なのか、実はこの時にはまだ決まっていませんでした。しかしどの様な情況の中にこの人がいるのか、この三句は言い尽くしています。ヨワ吟のサシの謡いから始まって、ツヨ吟に移り、またヨワ吟の低い音で「暗し」と謡います。シテの登場の謡でこのようにヨワ吟とツヨ吟が一句毎に入れ変るのは『忠度(ただのり)』や『箙(えびら)』の前シテにもあります。

そしてさらに「まなこを沈めてわずかに日々を忍ぶに。何に誘(いざな)わるるにや。虚空はるかに一連の花。まさに開かんとするを聞く」と続きます。「何に誘わるるにや」と視線は右上方の空間に伸び、「虚空はるかに」からは高い響きの声になるようヨワ吟のクリ音を使い、「まさに開かんとする」と視覚に訴えつつ「聞く」となっているところに、また吟を変えてツヨ吟を混ぜながらヨワ吟で収めます。

ここからシテは舞台へ歩み行き「ひとひらの花弁彼方に身じろぐを。まぼろしの如く(これを)見れば。常世なる仄明りを花その懐に抱けり」と続くのですが、シテが動くことによりシテは「ひとひらのに花弁」に同期して、虚空に咲く花に焦点が移動します。この部分に視点の移動とそれに伴う時間の経過があります。そして能のシテがこのような形式で舞台に入って来ると、「翔(カケリ)」と呼ばれる短い演奏に合わせて舞台をひと回りする舞を舞うのです。その後「常世なる仄(ほの)明り」がその花の中に宿っていることに気がつくと、「常世の仄明り」について、少し客観的な説明に移ってゆきます。「常世の仄明り」とは。暁の蓮沼に。揺るる蕾の如くにして。我等世々の悲願を表せり。」この部分が丁度シテの出を受けて謡う地謡の下歌に填ります。

長々と専門的な話を致しましたが、この作業をしている時の私の驚きを知って頂けるでしょうか。言葉の意味を考えてそれに相応しい節付けをしてみると、古典の作品の持つ形式にピタリピタリと填ってゆき、所作の型までも言葉の意味を補うように決まってゆくのです。冒頭の部分だけではなく、この後も同様で、特に後半には、ここで過去を回想するような静かな舞を舞いたいと思う所に、「序之舞」という静かな女物の能で舞う舞いを挿入してみると、その後には決まりの形式にピッタリの言葉が用意されているのです。「花を奉る」全編を節付けしてみると、丁度三十分程の夢幻能の後場のような作品が出来ました。

様々な形でのらいぶ公演

その作品を最初に披露したのは昨年六月、岩手県北上市和賀町にある慶昌寺というお寺での「花まつり能楽らいぶ」でした。その時はシテと地謡だけで舞は入りませんでした。この時にお客様より、この作品を是非能として完成させて下さいという言葉を頂戴しました。しかし能に仕立てるためのストーリーがなかなか思い浮びません。こういう場合は無理にひねり出すようなことはせず、いろいろな形式で「らいぶ」公演を重ねながら、その可能性を探ってゆくのが私の方法です。その次は九月の「箱根翡翠能楽らいぶ」。この時は笛の松田弘之先生にご一緒していただき、私は謡いながら舞う二人らいぶでした。お客様にも良い感想を頂戴しましたが、何より松田先生が「この詩は素晴しいですね」と仰って、私の能作も評価して下さいました。古典の作品を知り尽した共演者が評価して下さったことは、自分だけの勝手な思い込みではないことの一つの証しでした。

次の機会は、打楽器奏者の加藤訓子(くにこ)さんとのコラボレーションという、能楽らいぶの中でもかなり前衛的な試みの場でした。加藤さんとのコラボレーションは、ホソヤアーティストネットワークの大須賀さんがもう五年も前に発案していたのですが、くにたち市民芸術小ホールが企画作品としてスポンサードして下さり、今年二月にOTODAMA/KOTODAMA公演「音とコトバの宇宙論(コスモロジー)〜花を奉る〜」として実現しました。このコラボレーションの後半に「花を奉る」を提案してみたところ、加藤さんも大変気に入られて、公演名となるような作品を作ることが出来ました。この時、序之舞の代わりに加藤さんが選んだ作品は、ハイウェル・デイヴィス作「パール・グラウンド」という曲です。全編4音からなる和音が少しずつ変化しながらゆっくり刻まれてゆく、墨絵のグラデーションのような曲なのですが、回を重ねて舞う毎に、まるでこの舞のために作られたように感じられて来ました。そしてこの作品の前段には、ワキにあたる役柄として「世界の理を言葉に求めて、詩を作り旅をする者」が登場しました。これは二人のコラボで求める音霊言霊(おとだまことだま)の憑代(よりしろ)として考え出した設定ですが、私の頭の中には詩人和合亮一の存在がありました。このコラボレーションは初演前に再演が決まるという幸運に恵まれました。

 

福島の詩人・和合亮一と

 

再演というのは五月の相馬公演です。これはもともと加藤訓子さんが三井住友海上文化財団派遣コンサートとして受けていた公演でしたが、私の予定に合わせて日程を調整して下さり、また加藤さんも、相馬の皆さんに是非ともこの作品をお届けしたいということで、実現したものです。さて初演時のくにたち公演では冒頭の言葉はこのようなものでした。「これは世界の理を言葉に求めて。詩を作り旅をする者です。この程は高尾の森御岳の森を廻り。この武蔵野に下って参りました。これよりこの所の古き宮を訪ねて。音霊言霊を求めてみようと思います。」そしてこの男は谷保天満宮の神域の森で神秘の体験をするのです。これを相馬公演では地元の地名に変えようと思い、私は和合さんにその旨を伝えました。和合さんが書いて下さったのは次のようなものです。「これは世界の理を言葉に求めて。詩を作り旅をする者です。この程は富岡の夜の森(よのもり)、浪江の請戸の浜を廻り。この相馬の松川浦に下って参りました。これよりこの所の古き宮を訪ねて。音霊言霊を求めてみようと思います。」そして中村神社という、地元の古い宮を教えて下さいました。富岡の夜の森は立入り禁止区域にあり、例年は大勢の人が楽しんでいた満開の桜が、無人の花を狂気のように咲かせていた映像を、私は忘れることが出来ません。また、請戸の浜

は震災直後に原発事故の影響で立入り禁止となったために、救助されずに亡くなった方が大勢いらしたと聞きました。相馬の松川浦は、海水浴や潮干狩りで親しまれていた名所ですが、津波で大きな被害を受け、また地盤沈下により干潟が無くなってしまった場所でした。単に地名が変っただけの話ではなくなりました。それがどのように作用したのかは分りませんが、相馬では大きな拍手と公演後の感謝の言葉を沢山頂戴致しました。

さてそれを受けての六月の北上、慶昌寺での「花まつり能楽らいぶ」です。いつもは能の仲間を語らっての古典的な能楽らいぶ(変な言葉ですね)なのですが、今年は他の能の公演と重なってしまい私一人でしたので、和合亮一さんとのコラボレーションを企画していました。和合さんにお願いした時点ではまだ何も決まっていなかったのですが、相馬公演で和合さんから頂いた言葉を元に、「花を奉る」を能に仕立てるストーリーのようなものが少し見えて来ました。昨年「能にして下さい」との言葉も頂戴しています。時間はあまり無かったのですが、何とか本番二日前に「朗読と謡のための『花を奉る』」という作品を仕上げることが出来ました。これはまだ文字通り朗読と謡のための作品で、まだ能として完成したものではありませんが、今まで何とも掴み難かった能の仕立てに、一応の手掛りを得た形となりました。

まず、ワキの「世界の理を言葉に求めて、詩を作り旅をする者」が登場し、福島の浜通りを廻って来たことを道行に謡い、北上の地まで湯治のためにやって来ます。ここで最初の朗読。和合さんが最近ツィッターに投稿したヘリコプターの詩です。ヘリコプターで南相馬や浪江のあたりを見て、今も震災直後から変わっていない有様を描写しています。次にシテが登場します。福島の文字摺観音近くに暮らしていた女が、幼な子(といっても十才くらい)と共に北上に避難して来て、三年目の春に子どもが別れた父親の元の福島に戻り、ひとり残されて茫然と日々を送っている有様を謡います。二つめの朗読は、別れて暮らす家族のこと。福島では当り前に繰り広げられている日常のドラマ。そしてシテの女が身の上を語るクドキの謡い。「私は新潟阿賀野に生まれ。親を水銀の毒にて失い。長じて福島の飯坂に移り。縁あって子を授かり。暫しの月日を送る。されども親の病を夫に告げざるを責められ。子を連れて文字摺観音の傍らに移り。朝に夕にその大慈悲に縋る。この度の災厄ありし時。観音の導きを夢に見て。我が子の命守らんと。真先駆けてこの地に来り。三度の春を送りしが。この五月のある日に。我が子俄に大人びた面差して我に向かい。これまでの扶育の礼を述べ。されど福島へ帰り父と共に。福島のために働かんと。語る姿も凛々しくて。喜ぶ顔を仮面にして。我が子送りて残りしなり。」「四十半ばのこの身に。老いの心の諸白髪」そして三つめの朗読。名作「福島を生きる」。

今回のらいぶでは、シテとワキの問答を作ることは出来ませんでした。そしてこの後、大きな飛躍があります。ワキと言葉を交したシテの女は、野の花ひと本を詩人から受け取ることにより、「花を奉る」の女に変身するのです。ここで実際に交される言葉はこの先の課題となります。待謡風のワキの上歌「野の花を。一本折りて手渡せば。一本折りて手渡せば。不思議なりとよ彼の女の。姿変じて今までは。弱き女と見えつるが。内より香気湧き出でて。白き衣を身に纏い。花持ちて立つその姿。この世の女とも思われず。この世の女とは思われず。」そして四つめの朗読は、野の花に心慰められる思いを綴った詩。和合さんはこの部分に何を朗読するか最後まで迷っていましたが、結果控え目な印象の美しい優しい言葉が並んで、とても素晴しいものとなりました。これに続いて「花を奉る」となります。序之舞の部分には和合さんの最新詩集『廃炉詩篇』より「馥郁(ふくいく)たる火を」を朗読してもらいました。

公演の後の雰囲気を何と言えば良いのでしょう。いつも「らいぶ」の後にはお客様からの質問を受けながらのお話をするのですが、何しろ重いテーマですのでなかなか質問も出て来ません。でも内容に共感して下さっている様子は伝わって来ます。和合さんと二人の対談で、らいぶの内幕などをお話しさせていただきました。

これから

 

私は、当初この詩を能に仕立てる仕立てを、福島や水俣から離した方が良いのではないかと漠然と考えていました。今でもその気持はありますし、この後、本格的な能作はその方向に向うことも十分に考えられます。しかし例えそうなったとしても、加藤訓子さんと和合亮一さんとの共演によって紡ぎ出されたこの色合いは、新しい作品の深みとなってゆくだろうと思っています。

思いもかけず長い文章になってしまいましたが、自分自身への確認もあり、かなり専門的なことまで含めて綴らせていただきました。新しい能の創作とその可能性について、多くの方にご興味を持っていただけたらと思います。

最後に、加藤訓子さんとの「音とコトバの宇宙論」は八月二十四日に豊橋で再演が決まっています。

参考

「朗読と謡のための『花を奉る』」の謡本は下記にて公開。

https://docs.google.com/file/d/0B9dqCDiaSEbWX1ZUNDJKbE5XX0k/edit?usp=sharing

【中所さんの舞台】

◆青梅アート・ジャム能楽らいぶ「舞の型で遊んでみよう」     7月7日14時、吉川英治記念館(青梅線二俣尾駅徒歩15分)。定員50人(要予約)、参加費3000円。青梅アート・ジャム主催。

《申》042-550-4295中所宜夫能の会。

◆NPO法人三河三座の能楽らいぶ「能とチェロで描く宮沢賢治~『セロ弾きのゴーシュ』より」     7月24日18-20時、ロワジールホテル豊橋30階スカイバンケット「ル・モン」(豊橋駅西口からシャトルバス)。共演はチェロ奏者・杉浦薫さん。前売り5000円、当日5500円でいずれも食事、飲み物、サービス料、消費税込み。

《申》0532-32-3111東愛知新聞社内、NPO法人三河三座、0532-47-6115ロワジールホテル豊橋営業予約課。

http://loisir-toyohashi.com/event/index.html#b

◆第七回吉田城薪能     8月24日18時-20時半、豊橋公園吉田城前本丸広場(豊橋駅東口から市電に乗り、豊橋公園前下車、徒歩5分。雨天の場合は近くの豊城中学体育館)。世界的打楽器奏者・加藤訓子さんとの共演「OTODAMA/KOTODAMA」による「音とコトバの宇宙論(コスモロジー)〜花を奉る(石牟礼道子)〜」。前売り5000円、当日6000円。

《問》0532-32-3111東愛知新聞社内、NPO法人三河三座。

◆    第4回翡翠能 能楽らいぶ 薩摩琵琶との共演のための作品「耳なし芳一」      9月13日、東急ハーヴェストクラブ「箱根翡翠」(箱根登山鉄道強羅駅から送迎バス)。

《問》0460-84-5489箱根翡翠。

◆    緑泉会例会     9月16日13時、喜多六平太記念能楽堂(目黒駅徒歩7分)。「鵺(ぬえ)」を「白頭(しろがしら)」の小書き付きで上演。6000円(学生3000円)。

《問》042-550-4295中所。

◆    相模湖能「井筒」     10月5日14時、神奈川県立相模湖交流センター(中央線相模湖駅徒歩10分)。

【中所宜夫能楽体験塾】 

7月27日14時、8月10日14時、9月21日14時、10月25日18時半、11月17日14時、神楽坂遊楽スタジオ(地下鉄有楽町線江戸川橋駅4番出口から徒歩4分、東西線神楽坂駅神楽坂口から徒歩6分)。扇の持ち方、基本の構えから始め、舞と謡を体験。各回2時間。5回通し1万円、1回3000円。

《申》氏名、住所FAX、連絡先、希望日、白足袋(700円)希望者はサイズも書いて、FAX042-550-4295、またはEメールnakashonobuo@nohnokai.com 中所宜夫能の会。

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