絞り染め作家・三谷文子さんが手工芸作品展受賞作お披露目

受賞作品と三谷さん=国立市中のホームギャラリー「ころも」くにたちで


千数百年の歴史を持つ日本の伝統工芸、鹿の子絞りと草木染め。この二つの技術を駆使した作品「ふみ絞染」を制作している三谷文子さんが(67)が、国立市中の自宅内に開く「ホームギャラリー『ころも』くにたち」で、「<ふみ絞染>春の展示会」を4月1−7日12−17時開く。

昨年10月、(財)日本手工芸指導協会主催「手工芸作品展」で読売・日本テレビ文化センター賞を受賞した付け下げ「思いをのこす」(写真)を地元で初めて披露するほか、孫の七五三の着物など、これまでに作った着物5点ほどと帯揚げ、風呂敷、マフラーなどを展示する。


受賞作は、モスグリーンの付け下げの裾(すそ)に黄色いさざ波のような模様が地紋とともに浮かび上がる。56歳で亡くなった母への思いをこめたものだ。丹後縮緬の白生地を、ヤマモモの樹皮を煮出してミョウバンで媒染した染液で、8回、染め重ねて黄色地にした後、杢目(もくめ)という絞りの技法で括(くく)り、その後にヤマモモを鉄で媒染した染液でさらに煮染めしたものだ。

付け下げの裾に施された「杢目」


三谷さんが手がける京鹿の子絞りは、奈良時代から衣装の紋様として用いられてきた。代表的な技法、疋田(ひった)括りが子鹿の斑点に似ているところから「鹿の子絞り」と呼ばれ、室町時代から江戸時代初期にかけて「辻が花染」として盛んに作られた。細かい粒が整然と並び、立体的に模様を浮かび上がらせるのが特徴で、今も京都を中心にすべて手仕事で染め上げられている。 しかし、大変な手間がかかるため、職人は年々減り、都内で手がける人はわずかだ。「一つ一つ手で括っていきますので、気の遠くなるような手間と時間がかかります。でも染め上げて括っていた糸をほどいて、文様が浮かび上がった時の感動はなんともいえません。時には思いがけない模様に仕上がることもあり、そこが魅力です」


三谷さんは若い頃から針仕事が好きで、三十数年前、東京農工大学工学部附属繊維博物館(現・東京農工大学科学博物館)が一般向けに開講した「友の会」の藍染めグループに1期生として入り、型染めや絞り染めと出合った。「自分で一から作った着物を着たかったんです」。その後、京鹿の子絞振興協同組合(京都市)が渋谷区で開いていた教室に通い、伝統工芸士から伝統的な約50種類の技法を学び、1993年、同組合講師の資格を取得した。

またニ十数年前から草木染織の第一人者、山﨑桃麿さん(84=青梅市沢井)に師事し、作品には絹地を使い、植物の樹皮や実などを煮出した染液で染め、染料を繊維に定着させる媒染剤には鉄やみょうばんを使うなど、すべて自然素材を用いている。「初めて山﨑先生の染め色を見て、化学染料とは全く違う深みのある鮮やかな色に引かれました」
93年からは各地で絞りの指導を始め、1996年染織家の登竜門といわれる「全日本新人染織展」に入選。以来、個展やグループ展をたびたび開く。4年前には自分の作品をはじめ、作り手が作品を発表できる場を設けたいと「ころも」を開設した。
「先人が残した素朴ですばらしい技法を伝承したい一心で作品を作っています。多くの人にご覧いただきたい」と三谷さん。


ホームギャラリー「ころも」くにたちは国立駅南口下車、スーパー「紀ノ国屋」の南角を右折、約100㍍先の右側。
《問》042−577−2571同ギャラリー。
http://www.shiborizome.net/

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